The Game Awards 2020 ゲームオブザイヤー受賞おめでとう(∩´ω`∩)·* 認めざるを得ない、凄いゲームだったラスアス2は。周回はとてもできませんけどね。 ラスアスをもぐもぐしてる間にツシマがきちゃってずっと記事を発酵させてたんですが、これを機にプレイ後感想など(ネタバレ注意)▼ 私は、ラスアス2プレイ中、重大なことをずっとどこかに置き忘れたままでいた。いや2プレイ中どころか1プレイ後もそれは、どこかに追いやられたままだった。 ラスアス2で秩序もろとも崩壊し尽くした世界において、人々は各々ルールを築き、争い、そして殺し合う姿をまざまざと見せつけられ、そしてジョエルとエリーの恐らく最後だったのだろうか──二人の会話シーンがおもむろに映し出されたその中でエリーに怒られて、ああ、そうだった…と思い出した。 エリーの命が世界をパンデミックへ陥れた感染症を治す免疫になり得る重要なものだった、ということ。 それを取り戻した代わりにいよいよ世界を救いなき惨状へと導いた人物こそがジョエルだったんだ、ということ。 作中でも何度か思い出させるきっかけは、あったんですけどね。そんな現実味のない漠然とした問題は、ジョエルのエリーに対する圧倒的な娘愛に打ち負かされていた。 自分は、本当に、純粋に父親として愛する娘を取り返した。ただ、それだけだった。 終始そういうプレイをしてきてしまった。 終盤のシーンでエリーが回想するんです。ジョエルと交わした最後だったのだろうそのやり取りを。エリーはそこで、ジョエルに何個か釘をさす。 コーヒーを飲んでるジョエルに対して「どこにコーヒーがあったのか」それから、「セスの件は自分で何とかできた」と「私のパトロールのことでジェシーを悩ますのはやめて」。 まずコーヒーについて、ジョエルがコーヒー好きというのは1で明かされているんですけどそれを踏まえて、エリーが冒頭「ジョエルは何でもコーヒー豆と変えてしまう、豆ばか(曖昧な記憶下での意訳)」と暴いていて、その布石を取り戻すようなジョエルの言い訳、「恥ずかしいほどの取引だったけど…でも(このコーヒー)悪くないんだ」。 このやり取りは、資源不足の時世にろくなものと交換しない父親をちょっと叱りたいかの娘の心情を垣間見た気がしますし、セスの件とパトロールの件は、自分は充分にやれる(戦える)のに、いつまでも過保護な父親にちょっとうんざりきている年頃の子を見た気がしました。ジョエルもジョエルで所在なさげにしょんぼりと返答していくんですよ。二人の間には、他者が入り込めない重要な問題があるわけでジョエルは、エリーに対して後ろめたさがある。それでも、違えようなく父親らしい、また子らしいやり取りだなと自分は感じました。 ジョエルは、過去にサラという最愛の娘を軍に撃ち殺されてますからね。もう二度と大事な存在を失いたくないはず。以前に「偵察隊としてはまだ若すぎるけど、でもお前ができると言うなら信頼してる」等とジョエルはエリーに言ってました。それでも常に命のやり取りがある世界では、必要以上にエリーに対して口が出てしまうのも致し方ないかと。 で、これらの会話は、ファイアフライの件で嘘をつき通してきたジョエルが、エリーに真実を明かした後のことです。 ある日、遠くセイントメリーズホスピタルまで出向いたエリーは、残されていた音声ログによって予め事実を知りました。そこへエリーを捜しに来たジョエルが現れる。 エリーは「また嘘をついたら去る」とジョエルを脅します。苦渋の決断で本当のことを話したジョエルですが、直接ジョエルの口から事実を聞いたエリーはショックを受けて「戻るけど私たちはもう終わり」と言います。 切ない。やりきれないと痛切に感じたし、敵に為してきた尋問の様相を呈した形でジョエルがエリーから受けるという構図には、胸を打たれたものです(TωT)。 回想シーンの会話の中でエリーは、ジョエルのしたことについて「許せるとは思えないけど、でも許す努力をしたい」と言う。ジョエルは、泣きそうな顔つきで「そうしてほしい」と言う。 数年二人の間を阻んできたわだかまりが、いよいよ雪解けを迎えようか──という大事な矢先に突如訪れたジョエルの死。 どれほどエリーは、悔しかったでしょうか。 アビーについては、そうあえて記述することもありません。 プレイ当初は本当にしんどくて、なぜアビーのターンが(しかも何度も何度も)回ってくるのかとストレスフルの苦行でした(笑)。 道筋を経てなおジョエルを殺した敵としか認識ないこちらからすれば、しんどいを超えてもう本当に面倒くさかった。彼女を殺すために生かすってどんなドSゲームだよと。ドMの自分でも相当にきつかったです。(とTwitterにも思い余って書きましたけどね) 父親を殺された──その復讐心から失ったものの数と無意味さをアビーは、痛いほど思い知ったんだと思います。もうそれでいいんじゃないかと。 ただ、自分は最後まで復讐心を失えなかったから、かつてのジョエルとエリーを彷彿とさせるアビーとレブの関係を目にしても、牛のような体格のこの女がすっかりやせ細った姿を見ても、自分は討つつもりだった。 後にアビー側の人間に討たれる結末を迎えようとも、復讐を誓った時点で、生涯の大事な存在を失った今後の人生に意味など見出そうとも思わないから、目の前で惨殺された父親同然の相手を脳裏に思い浮かべながら、自分だったら成し遂げます。復讐とは、そういうことだと思います。だから、もう闘うつもりはないなどと乗りかかった、いや、もはや乗り上げた船から降りようとするアビーには、苛立ちさえ覚えました。人生そのものを失う覚悟なしに他人の大切なものを奪ったのか、と。 負の連鎖は、他の誰かが断ち切ればいい。それが正直な感想です。 “if somehow the Lord gave me a second chance at that moment…I would do it all over again.” 「神がもう一度あの瞬間にチャンスを与えることがあったとしても、俺は、全く同じことをするだろう」 判然としたことでも、ジョエルが会話の中で真正面から口にしたこの言葉に救われたプレイヤーは、きっと大勢いるのではないでしょうか。来るべくして来た The last of us なんだと。何がどこでどのようにつながっているかなど、わかり得ない。手がかりなしに憶測もできない。 ジョエルは、二度と失いたくはない大切な存在を守り抜いた。ただそれだけ。 結局エリーも全てを失い、ジョエルが望んだ彼女の人生ではなかったかもしれないけど、それも結果論です。 まぁ、よくこうも賛否分かれる描き方してくれたな制作人、と喝采を送りたいです。4、5発ほど殴った後にね。(˙∇˙) ジョエルがファイアフライと戦った理由の重さがより推し量られて、自分は余計にジョエルを愛しく感じたラスアスパート2でした。ジョエルの立場ならきっと自分も同じことをするだろうと感想を抱いた1プレイ当初から、何も変わることはなかった。 戦う能力さえ失ったトミーの人生だけが気がかりです。なぜかやたらタフガイのせいで(;ω;)。この世界では一際、生き地獄じゃないかな。よほど生きる理由を見つけられない限り自分なら自殺ルートです、あの満身創痍は。 「やつらは充分に報いを受けた」って言ったときはこの野郎、目を覚ませo(`ω´#)oと思ったけど、眈々とジョエルの復讐を諦めてなかったことが嬉しかった。トミー自身では、果たせない身体になってしまったけど。 敵の位置を目前にして討ち取れない悔しさ、虚しさ、もどかしさ、計り知れません。本当に。 そのトミー、スナイプとガンファイトがめちゃくちゃかっこいいので、そこに出くわすためにアビー編を耐え抜くという一興がこのゲームにはあります。 銃声が聞こえ始め、ファッキンプロと敵に言わしめ、もしやトミーか!?と思わせつつの的確な弾道、からのヘッショは、もはや快感に近かった。これもまさかの敵側操作ならでは。 ぜひプレイして、あなた自身の感想を抱いてほしいです(・∀・)」 余談として、ジョエルのギターをエリーは手放してしまったから続編への見込みはまぁないだろうけど、本当に決別できるものなのかな。自分だったらギターを置いてきたこと自体に後悔して、あの廃屋に再び訪れると思う。 決別は、むしろ望まない。 はー…それにしても、つらかった( ,˘ω ˘; ) あ、ところで国内版のほうですが固有名詞まで訳すのはどうかと思うんですよ。エリーの馬の名前は、シマー(Shimmer)ですよ。キラリって。北米版クリア後に知ってびっくりしました。前作がカラス(callus)でタコだったので、エリーの突飛なネーミングセンスを伝えるためかもしれませんが、万一小説でも書くときに困ってしまう(´・ω・`)
2020-12-11 Friday 13:32 | THE LAST OF US